【早いねぇ~もう川瀬くんと部屋にいるからおいで304だよ

   ナッチ】


もう、着いてるんだ


早いなぁと思いながら、あたしは3階を見つめ階段を上り始めた



304の表札には、太い文字で戸城としっかり書いてあった


ホントにこのドアの向こうに、戸城がいるんだ…

そう思った瞬間、一気に体温が上がる




とっとりあえずチャイム押さなきゃ



震える手を必死に抑え…あたしは、ボタンに手を伸ばした



――ピンポーン