大輔…あたし今でも、大輔のことが大好きだよ


ずっと…一緒にいたかった…


でも…それはもう叶わない…


あたし…前に進むよ…


もう…立ち止まったりしない


大輔と同じくらい…好きな人が、出来たから…





夢中で階段を駆け上った。扉の前に着いたときには、もう息が乱れてて…それでもあたしは、ドアノブに手を伸ばした




ザ――――――ッ



扉を開けると、激しい雨が目の前に現れる。もちろん人の気配はない…


そうだよ…雨降ってるのに、屋上にいるわけないじゃん…

バカみたいと思い、階段を下りようとしたが、足が止まった



どこに行けばいいの…?


いつも戸城は屋上にいると思ってた…屋上に行けば、会えると思ってた…


あたし…戸城のこと、何も知らないんだね…




けど梅雨が明けても、屋上に戸城は現れなかった。そして…会えないまま夏休みに入ってしまった…





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