自分の気持ちなんて結局自分にしか分からない。でも…自分でも分からない気持ちは、一体どうすればいいの……?





目の前の光景に、あたしは目を疑った…。ナッチの隣には川瀬がいて、楽しそうに雑誌を眺めている

『あっすず!ちょっとこっち来て。ねぇどっちが可愛いと思う?』

開かれたページを見ると、夏祭り浴衣特集…。ナッチが指差したのは、青の紫陽花がかかれた浴衣とオレンジのグラデの浴衣

『ナッチは…オレンジぢゃない』

『やっぱりぃ~よしっこっちにしよーっと』

嬉しそうに浴衣を眺めて、川瀬と微笑みあう。2人の空気が甘ったるい…

『二人もしかして…付き合ってんの?』

『『うん』』

二人が同時に返事をして、笑い合う



『おっ浴衣ぢゃん』

ヒョイっと、雑誌が宙に浮く。少し顔を上げると、戸城の顔があった

『棗返せよ!』

川瀬が戸城から雑誌を奪い取る

『朔菟何で俺の教室いんだよ?』

舐めていた飴を川瀬の方に向け聞くと、川瀬はナッチの手を握り

『俺ら付き合ってんの』

そして、ナッチの手のひらにキスをする

川瀬ってこーいうキャラだったんだ…

この時2人が仲良いことに納得した

『はぁ!?そーいうことは早く言えよな。じゃあ邪魔者は退散しますよ』

そう言うと、なぜかあたしの肩を掴んで歩き出した


えっちょっなんで肩組んで歩いてんの!?


戸城の手が離れても、そこにはまだ温もりが残っていて、あたしは肩にそっと触れた


なんでこんなにドキドキするの――…


あたし……戸城が好きなの?