『…んっ 』

戸城の目が、ゆっくり開く

『起きた?昼休みだよ』

あたしは携帯を開き、時間を見せる

『…何で、相沢がいんの?』



――――はい?

あたしは、思わず顔をひきつらせた

『あんたが昼休みに、起こしに来いって言ったんでしょっ!!』

『……あ~そうだったかも』

完璧忘れてたみたいだね…それなら来なきゃ良かった…





『相沢お昼まだなの?』

あたしの手にあるお弁当を見て、戸城が尋ねる

『うん。折角だから、屋上で食べようと思って』

教室で一人で食べるのも寂しいし、ココ気持ち良いしね

『ふ~ん。じゃあ一緒食べよっか』

『え!?』

思ったより、大きな声を出してしまった

こーなることを全く考えていなかった訳じゃない…一人で食べるより、誰かと食べた方が、絶対おいしいと思う。でもあたしの頭には、さっきの名前がずっと引っかかってた…






『俺と食うの嫌なの?』

『ううんっそうじゃないよっ!!』

あまりにも寂しい声で言うので、少し大きな声で否定した。すると戸城は、いつもの笑顔で

『じゃあ売店でパン買ってくるわ』

と言って、扉を閉めた




一人残されたあたしは、ずっとあみさんのことを考えていた

きっと学校中を探せばあみなんて名前の人はたくさんいると思う


けどそれが戸城の言った人かは分からない……




でも……なんでこんなに気になるんだろう……分かったってあたしには関係ないのに……