川瀬くんの一言に、あたしは大きくため息をはいた

…肝心なことは分かってないんじゃん。まぁーそんな鈍感なとこも好きなんだけどね


『夏川?』

心配したように、あたしの顔をのぞき込む

そんなにみないでよね。あたしの気持ち全然分かってないんだから

もう…川瀬くんが悪いんだからね?


あたしは川瀬くんのベストを掴んで、自分の方に引っ張って、川瀬くんのほっぺにキスをした

『なっ///』


真っ赤になって、口を抑える川瀬くん

うゎぁ~メッチャ可愛いー



『おっ俺今から部活だから…』

まだ赤い顔で早口で話す川瀬くん。こんな川瀬くんは初めてみたから、つい笑いそうになっちゃった


『うんっ部活頑張ってねっ★バイバーイ』

『おっおう』



走り去ってく川瀬くんの後ろ姿を指差して、小さい声で呟いた


『いつかはっきり告ってやるから、覚悟しとけよ』



すると、それが聞こえたかのように、川瀬くんが振り返る

『夏川っ明日お昼おごれよ』

いつもの口調でそう言うと、あたしの返事を待たずに、走って体育館に行ってしまった

その後ろ姿を見ながら、川瀬くんへの好きが、どんどん大きくなっているのを感じていた―…

【ナッチside終】