もしかして…ナッチのこと気にしてんのかな?

そんなことが頭をよぎったけど、川瀬だから期待しないことにした…








『すず!!カラオケいくよっ』

終礼のチャイムが鳴ると同時に、あたしのとこに来てナッチはそう言うと、手を掴んでげた箱にダッシュする


『ちょっ…ナッチ…危ないって』

人と人の間を駆け抜ける。何度人にぶつかったか分からない…それでもナッチのスピードは、止まらない

―――ドンっ

しかしげた箱に到着したと同時に、ナッチが急に立ち止まる。あたしは思いっきり、ナッチの背中に顔面からぶつかった


『――ったぁー ナッチいきなり止まんないでよ!!』

そうナッチに言うが、反応がない…ナッチの顔をのぞき込み、目線の先を辿ると、傘立てに座っている川瀬がいた