先にあたしに気付いたのは、女の方だった

『じゃあまた今度遊ぼうね』

戸城に紙を渡し、席を立つ。そのとき確実に、あたしは睨まれた…

こっこわ―…


『あっ相沢おかえりぃ』

『…今のが彼女?』

『いゃ知らない女』

てことは、逆ナンですか…ホントにモテるんだなぁ~

そんなことに気付くと、周りの声が耳に入ってくる

『ちょっとあの人かっこよくなぁ~い』

『でも女連れじゃん』

『あんなの彼女じゃないでしょっ!釣り合ってないし』

……………

てめぇーだって、釣りあわねぇーよっ!!

あたしは斜め前で話す女二人を、睨みつけた

するとそれに気付いたのか、あたしの方から視線をずらし、違う話題を話し出した




『クククッ』

目の前を見れば、ポテトを食べながら、笑い出す戸城

『何がおかしいのさ?』

『ぃや…別に』

そう言いながらも、笑いをやめない

『やっぱ相沢っておもれぇ~な』

あたしは意味が分からず、ポテトを黙々と食べた