『戸城って、今彼女いんの?』

戸城は、一瞬すごく驚いた顔をしたが、すぐにいつもの笑みを浮かべ

『もしかして、相沢俺とつき合いたいの?』

『はぁ!?んなわけないぢゃん!!ちょっと聞いてみただけ』

『チェッ』

『でっいるの?』

『ん―いるけど、別に好きじゃない』




はぁっ?


あたしの頭の中に、かなりの「?」が回りだす

好きじゃないのに、付き合ってるってこと?

あたしが一人混乱していると、それが分かったのか、戸城が話し出した

『俺初めて付き合ったのが小学生の時で、マヂで好きだった女に告白して、付き合ったんだけど…そいつ俺の親友と二股かけててさぁーその瞬間一気に冷めたね。それ以来女とは、遊びでしか付き合わないんだ。どんな女でも本気で好きにはなれないから』



戸城の過去が、少し自分に似ていることに驚いた。けど、戸城は好きになった人を本気で嫌いになってしまったんだね…

あたしも大輔を嫌いになってたら、戸城みたいに本気で誰かを愛せなくなっていたのかな…




『だから、俺のこと好きになっちゃダメだよ』

そう笑って言った戸城の言葉は、とても切なかった





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