『こんなとこで何してんだよ!!早く病院行くぞ』

あたしの手を握り、病院に向かおうとする達生の手を振り払った


『あたし…行けない…。大輔と約束したから…大輔が来るの待つのっ』

あたしは落ちていた携帯を見せた

『ほらっ大輔ちゃんと別れたんだよ。あたしのとこに来てくれるの!!来るんだからぁ…』


あたしは必死に達生に訴えた。それでも達生は寂しそうにあたしを見つめた…


『鈴夏…もう大輔はいないんだよ…』

そう言って、あたしを抱きしめる。震える肩に、達生が泣いているのが分かった



『…っ嫌だよぉ大輔っ…大輔――!!』

泣き叫ぶようなあたしの声は、寂しく空に消えていった




あのときの言葉は大輔に届いていたかな――…?