なん…で……


顔を上げると、そこには何故か戸城が立っていた



『何で……?』


『夏川が、多分ここだろうって』


夏川ってすげぇーなと言いながら戸城は笑ったけど、あたしは戸城が今目の前にいることが、不思議でしょーがなかった



『あみさんは……?』


あみさんと会ってたんぢゃないの…?


『あぁ…さっきまで一緒にいたよ』


じゃあ、あみさんと会ってからここに来たってこと………?

何のために……?


『何で……ここに来たの……?』

そう聞くと、戸城は急に真面目な顔になった

『何でって……返事をしにだよ』


ーードクンッ

その言葉を聞いた瞬間、さっきまで落ち着いていた心臓がまた加速する

まさか、戸城が返事をくれるなんて考えてもいなかった




『返事なら…いらないよ。戸城の気持ちは分かってるから……』


答えなんて、分かってる


あたしが、あみさんにかなうわけない


あたしは、ブランコの鎖をギュッと握りしめた



そんなあたしの気持ちとは裏腹に、戸城は明るい声で

『なぁーんだ。俺が相沢のこと好きって知ってたんだ』


えっ………


聞き間違いかと思って顔を上げると、少し照れて笑う戸城の姿があった