ブーブーブー


携帯がひたすら振動していたが、あたしは出ることができなかった

きっと、ナッチからだろう……



あのままあたしは教室に戻らず、今は自分の家とは反対の方向にある公園にいた

昔から、何か悩み事や家に帰りたくないときに、よく来る場所



少し坂の上にあるここから見える景色は、いつ来ても変わらず、あたしの心を穏やかにさせてくれる




ブランコに座り、ただボーっと空を見上げた。日は沈み、少しずつ空は色を変えていく






一度言った言葉は、もとに戻せない。そんなこと、分かっていたのに……



あたしは唇をかみしめて、また溢れそうな涙を必死に我慢した




ホントはね…少しだけ期待したんだ……

戸城が、あたしを追いかけてきてくれるんぢゃないかって……


でも、そんな奇跡はおこらない


今頃きっと、あみさんと一緒にいるんだろう……







学校……行きたくないな………


前のように、戸城と話すことなんて、きっともうできない……

でも、今の関係を壊したのは、あたしなんだ……


スカートに、ポタポタと滴が染み込んでいく



そんなスカートを見つめていると、ふいに視界が少し暗くなった