『もしそーでも、戸城くん二股されてたんでしょ?だったら、大丈夫だよ!』

そう言ってナッチは微笑んでくれたけど、あたしは微笑み返すことが出来なかった




あたしと戸城の過去は、似ている。普通に考えたら、二股された相手とよりを戻すなんてしないと思う


でも…もしそれが本気で好きになった人で、自分のことをずっと好きでいてくれたら……


そう思ったところで、チャイムが鳴り思考は途切れた

後ろを振り返ると、戸城はいつの間にかいなくなっていて、放課後になっても戻ってこなかった……





『相沢、由衣は?』

教室に迎えに来た川瀬が、来て早々にナッチのことを聞く


『ナッチノート出しに職員室に行ったよ』

『ふーん……』


少し不機嫌そうな顔をしながら、川瀬はあたしの後ろの席に座った


『そーいやぁちゃんと誤解解いたよな?』

突然、何か思い出したかのように、川瀬があたしに聞く

でも、全く分からない

『何のこと?』

『相沢が、俺のこと好きってやつだよ!』

あっ…すっかり忘れてた


それがきっと顔に出てたのだろう……すぐにバレた


『お前まだ言ってねぇーのか!?今すぐ言ってこい!!』

『えぇ!?』

今とかかなり話しにくいのに……しかも内容が内容だし……

『さっさと行け!!』


川瀬に思いっきり睨まれ、そのまま教室を追い出された