『あれぇー今日誰か欠席いたっけ?』


『松田くんでしょ』

あーそうそう!!と言いながら、机に広げられた日誌に記入する

ナッチは担任に言われるまで、今日日直ということに気付いていなかった


『もぉー日誌とかめんどくさぁーい!!最後の感想なんて、何書けばいいの?』

前のページを捲りながら悩んでいるナッチに、アドバイスしようとしたとき、川瀬が教室に入ってきた

『向こう男子が集まってるけど、何かあったのか?』

あたしたちの居る場所に近づきながら、ドアの向こうを見つめる


その言葉に耳をすますと、確かに遠くから男子の声が聞こえてきた


しかしその言葉ははっきり聞こえず、気になったあたしとナッチは、ドアに近付き声の聞こえた方を覗く


そこには、数人の男子が窓の外を眺めていた


『芸能人でもいるのかなぁ~?』

ナッチは興味津々にそう言いながら、男子の方に向かう

そんなナッチの後ろをあたしもついていった




でも窓の外にいたのは芸能人ぢゃなく、先輩たちに囲まれて困っているあみさん……


『あれって亜美ぢゃん』

後ろにいた川瀬が呟くと、近くにいた男子たちが

『朔兎あの子と知り合いなのか!?紹介してくれよ』


『はぁ!?』


川瀬が嫌そうに男子を見ていると、門に向かって歩く戸城の後ろ姿が見えた