しかし、亜美からの紙は捨てちまったし、今の亜美の住所を俺は知らない……


あのセーラー服どこの高校だったっけ……?



そんなことを考えながら靴箱を出ると、門の周りに男が集まっていた


その中央には、駅で会ったときと同じ、セーラー服を着た亜美の姿があった


『あっ!棗』


俺に気付いた亜美が、駆け寄って来ようとしたが、それを周りにいた男が止めた


『おいっあいつ誰だよ?』

俺を睨みながら、亜美の腕を掴んで離さない


亜美の周りにいた男は、ほとんど上級生だった

先輩とかめんどくせぇーな……


『はっ離してください!』


亜美は顔を歪めながら、先輩の腕を離そうとしていたが、全く動かない


ハァー………


俺は深い溜め息を吐いて、先輩の腕を掴み

『俺の知り合いなんで、離してくれません?』

と言いながら、更に手に力を込める

先輩の手が離れるのを確認すると、亜美の手をとって歩き出した




【戸城side終】