『よっ!棗』


屋上のフェンスに寄りかかりながら、ボーっとしていると、ドアが開き朔兎が入ってきた



『何で、睨むんだよ!?』

『あぁ…気にすんな』

俺は無意識に、朔兎を睨んでいたらしい…


『そーいや棗、亜美に会ったんだって?』

『あぁ…偶然な……』

おれは、遠い景色を見つめた

『どーかしたのか?』

何も言わなくても、朔兎はすぐに俺の変化に気付く

『あいつ……おれに連絡先渡して来たんだよ…何考えてんのかわかんねぇ』

フェンスの棒を両手で握りしめ、コンクリートを見つめる


そんな俺に朔兎は

『ふーん…良い機会なんぢゃねぇーの?ちゃんと話してこいよ』


そんなことを冷静に言う朔兎を、俺は信じられない気持ちで見ていた