いつもより遅く学校につき、教室に入る

すると、自分の席の後ろにはもう戸城がいた


あたしはその姿を見て、少し汗ばんだ手のひらを握りしめた




『あれ?相沢今日遅かったんだな』


机に鞄を置くと、後ろから戸城が話しかけてきた


『うん……ちょっとね……』


『何?寝坊でもしたの?』

笑いをながら聞く戸城は、いつもの戸城に戻っていた





『戸城……これ…』

あたしは、戸城の机にスカートに入れていた紙を置いた


もちろん、あみさんから渡された紙…


ホントは、渡したくなんてない……


学校に来る途中に、何度も捨てようか迷った

でも…あたしにそんなことをする権利はないんだ……

あたしは…戸城にとっては、ただの友達だから……


戸城とあみさんの間に、あたしは入れない……



『なにこれ…?』

戸城は、置かれた白い紙を見下ろして呟いた