カラオケ店に着いても、戸城はずっとボーっとしていて、あたしは話しかけることができなかった


さっきの女の人のこと考えてるのかな…


そう思うと、不安でしょうがなかった





次の日の放課後、あたしは川瀬に聞いた


『あみさんって、知ってる?』

その言葉に、川瀬はかなり焦った表情を浮かべた


『亜美って…まさか…』

『その人と戸城って、どーいう関係なの?』


川瀬は、少し戸惑いながらも口を開いた


『亜美は……棗の初めての彼女だよ』

初めてって……

『親友と……二股した人…?』



『あぁ…そんで棗が、唯一本気で好きになった女』


その言葉を聞いて、あたしは思い出した

あみって名前は、戸城が寝てるときに呟いた名前だ……




もしかして……戸城は今でも、あみさんが好きなの……?




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