一瞬…時が止まった気がした


女と戸城は、無言のまま見つめ合う


そして、静まったホームで戸城が呟く


『亜美……』

その声は、少しの騒音でかき消されるほど小さな声だった





あみ………?

あたしはその名前を、どこかで聞いたこどがある気がした


でも…どこで聞いたんだろう……


その時アナウンスが流れ、あたしたちの乗る電車がホームに入ってきた



電車に乗り、ドアが閉まった後も、女はずっと戸城を見つめていた



『あの人戸城くんとどーいう関係なんだろうね?』

ナッチが、あたしにしか聞こえないくらいの声で話す


『元カノ……かな…?』





戸城の方を見ると、ずっと窓の外を眺めていた……





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