【戸城side】

『達生は、ただの幼なじみ』


そう言った相沢に、俺は安心した。けど…

『じゃあ相沢の好きな人って誰?』

『えっ!?』

さっきよりも、目を見開いて驚く相沢


俺は、何でこんなことを聞いてるんだろう…

ただ…相沢の好きな人が、気になってしょうがない


『それって…俺の知ってるやつ…?』


その言葉に、相沢は下を向いた



『もしかして……朔兎か…?』

相沢が話してる男子で、俺が知ってる奴っていったら、朔兎しかいない…

でも…そんなはずねぇよな…朔兎は夏川の彼氏だし…






でも、顔を上げた相沢は瞳に涙を浮かべ、俺を見つめたあと、何も言わずに階段を下りていった






『嘘……だろ……』



俺はこのとき、やっと自分の気持ちに気付いた



今更分かったって…遅い気持ちに……





【戸城side終】