あたしと達生は窓際のテーブルに座り、メニューを広げた


ナッチは教室に向かう途中に、サチから電話があり、サチを迎えに行った

なので、今はあたしと達生だけ



『ご注文決まった?』

同じメイド服を着た委員長の山下さんが、メモを持って訪ねてきた


『あたしはコーヒーで。達生は決まった?』


『んー…じゃあ俺はジャンボパフェで!』


『あ……ありがとうございます』

明らかな苦笑いで、山下さんはオーダーを伝えに奥に入って行った


『達生ジャンボパフェって、軽く4人前くらいあるよ?』

一人で食べれる量ぢゃない…


『大丈夫大丈夫!俺甘いのは、いくらでも食えるから』


そう言いながら、達生はキョロキョロと周りを見渡し

『ところで、鈴夏の好きな奴ってどこだ?』


あーそーいえば、それが目的だったね。すっかり忘れてた


『奥にいるから、今は見えないよ』


『はぁー!?鈴夏呼んでこいよ』


『なっ!?そんなことできるわけないぢゃん!!』


この格好で話すことじたい、恥ずかしいのに


『おぉー照れてる鈴夏って、久しぶりに見るなぁ~。でもマヂ安心した!大輔が死んでから…お前全然笑わなくなってたからさ…』

そう言うと、達生は空を見上げた

あの頃のあたしは感情がないに等しかった。何をしても楽しくなかった…

『その好きな男のおかげか?』


『うん…そーだね』

戸城に出会っていなかったら、今でもあたしは本気で笑ったり、悲しんだり出来なかったかもしれない



『やっぱりお前は笑ってる方がいいよ』


そう言った達生にあたしは微笑んだ