絶叫しているあたしとは反対に、ナッチはジー…っとミイラ男を見て



『朔兎?』

と呟いた


ナッチの思いもよらない言葉に、あたしは目を丸くしていると


『なぁ~んだ由衣ぢゃんっ!』


『やっぱり朔兎だぁ~ミイラ男似合ってるよぉ~』


えっ……ホントに川瀬なの?

てか、ほとんど包帯に巻かれて、顔見えないのに何で分かるの!?


そんなことを思ってる間も、普通にお喋りをする二人

あたしお邪魔…?


しょーがなく二人を置いて、先に進もうと前を向いた瞬間、あたしの体は固まった

先に見えるのは曲がり角。今までの経験上、曲がり角には絶対何かあるっ!


それを分かってて、一人で前に進めるほど、あたしは強くない

『ナッ…ナッチ次の人来るから、早く進もう…』

『あっそーだね。じゃあ朔兎も後であたしの教室来てね』

『おうっ分かった』




川瀬と別れた後も、あたしは何度絶叫したか分からない位叫んで、やっと出口に辿り着いた


『すっごい楽しかったね~…って今何時!?』

突然焦った表情をするナッチに、あたしは携帯を開き時間を確認した


『まだ10時だよ!交代まであと2時間あるね~次どこ行く?』


『やっば!!すずげた箱行くよっ!!』

そーいうとナッチはまた走り出す


あたしはスカートを押さえながらナッチのあとを追った


でも何でげた箱……?