入ってすぐに、あたしはナッチの腕を掴む

『すず大丈夫?』

『うっうん……ッギャアーーー!!』


ビチャって音を立て、湿ったものが頬にふれた


『なんか触れたぁーーー』

『すず落ち着いて!多分こんにゃくだって』

そう言って、ナッチは怖がることなく前に進む






歩いていくたびに現れる化け物たちに、あたしは気絶する寸前の状態で、ナッチの腕を両手で掴んで、身を縮めながら前に進んでいた


『すずなんか箱があるよ』

はっ箱………?


ダンボールで作られた箱の前には、赤い字で【箱のなかにあるスタンプを取れ】と書かれてあった


入る前に受付で渡された紙に、押さないといけないらしい…


『ナッチが取ってよ』

『えっ?いいの?』

手を突っ込んだ瞬間、あたし気絶すると思うし…



ナッチはワクワクしながら、ダンボールの箱に手を突っ込んだ

あたしはドキドキしながら、ナッチの腕を見つめる


『あっ!取れたよ』

意外に何も起こらず、スタンプをゲットして、お互いにスタンプを押した

でもその瞬間…


バーーンッ!!

目の前にあったロッカーが開き、その中から全身包帯を巻いたミイラ男が現れた


『ギャーーーー!!!!!』


あたしはこの日一番の絶叫をあげた