川瀬のクラスの前には、もう行列ができていた

『なんか人気みたいだね』


でもよく見ると、並んでるのはカップルばかり…


あたしは列の前に行き、看板を見上げた

『ナッチ…あたしパスしていい?』

『ダメに決まってんぢゃ~ん!大丈夫そんな怖くないって』

川瀬のクラスは、あたしの苦手なお化け屋敷だった


『お化け屋敷スタートしまぁ~す最初の方どうぞ入ってください』


中から出てきた受付の女子は、普通の格好で良かったんだけど、ドアの隙間から見えた教室の中は真っ暗で、あたしは後ろに一歩下がった


『ほらすず!後ろ並ぼう』

ナッチはかなりウキウキで、あたしの手を引っぱり、一番後ろに並ぶ


ナッチって、見た目はお化け屋敷苦手そうなのに、すっごい大好きなんだよね…遊園地行ったら必ず入るし…



でも遊園地に比べたら、そんなに怖いはずないよね?素人がするんだし…

そう思った瞬間


『キャーーー!!』


中から響く女の人の叫び声


『たっのしそぉ~』

隣のナッチは更にウキウキ度が上がってたけど、あたしのテンションは前に進むごとに下がっていった


一体中でなにが起きてんの!?


出てくるカップル全て女の人が男の腕にしがみついていた


そして…震えながらも、恐怖の教室に足を踏み入れた