人通りの多い大通りを抜け、見慣れた景色の広がる小道に入る


あたしは、自分の家に向かって走った


やっと家が見えるとこまできて、あたしの足が止まる


ーーナッチ…


家の前には、俯いたまま立っているナッチの姿があった



『ナッチ!!』

あたしは叫びながら、駆け寄った


あたしの声に顔を上げたナッチの目は、赤くなっていた……


『すず……あたし…『ごめんナッチ!!』

あたしはナッチに向かって、頭を下げた

『えっ?えっ!?』


『ナッチは何も知らないのに、あたし…酷いこと言った…ホントにゴメン』






ーーーカシャッ





ん……!?




頭上から聞こえた音に顔を上げると、携帯を持って笑っているナッチ……


『ちょっとナッチ!!何シャメ撮ってんの!?』


『だってすずが謝るなんて珍しいから、保存しとこうかなって』


人が真面目に謝ってるのに……まぁ、ナッチだからしかたないか…

そう思うと、自然に笑みがこぼれた


『保存するのはいいけど、誰にも見せちゃダメだよ』

『りょうかぁ~い』

そう言って、あたしたちは笑い合った