悩みながらも一つの結論を出して、あたしは教室に向かった

柏原さんの言ったことが、本当なのか確かめよう




教室に入ると、あたしの席の前にナッチと川瀬が座っていた


『すずおかえりー』

『お前おっせぇーよ』

もう教室には、二人しか残っていなかった


『川瀬…聞きたいことがあるんだけど』

『は?何だよ』

『戸城は…本気で人を好きにならないの?』


あたしの言葉に、驚く川瀬。でも、そのあとにすごく険しい顔をした


『それ棗が言ったのか?』


『ううん…柏原さん』

『えっ!?柏原さんに会ったの?なにもされなかった?』

柏原さんという言葉に反応して、心配するナッチ

『あ、うん。それは大丈夫…』

もう柏原さんは、あたしには何もしないと思う。じゃなかったら、きっとあたしにあんなことは言わない




川瀬は大きなため息をしてあたしを見た

『その話は…多分ホントだ。前に本気で好きだった女に裏切られてから、あいつは変わった。遊びでしか女と付き合わなくなった』


じゃあ…柏原さんの言ってたことは本当なんだ…


『柏原と付き合ってたときは、だいぶ落ち着いてたけど、その前までは毎日違う女とばかり遊んでたしな』


川瀬の言葉をあたしは変な感じで聞いていた


だって、今の戸城からは想像できない…

『もしかしたら、もう新しい彼女出来てるかもな…』


そう呟く川瀬にあたしは、今日言っていた戸城の言葉を思い出す

『戸城…とーぶん彼女いらないって言ってたよ』

『まじかよ!?』

その言葉に何故か驚いた顔をする川瀬

あたし変なこと言ったかな?