トイレの鏡に映る自分の顔


なんて悲しい顔してるんだろう…

笑わなきゃ…笑え自分

そう言い聞かせても、沈んだあたしの気持ちは消えずにたまっていく







ーーバタンッ

後ろでドアの開く音がした


『あらっ…』

鏡に映った後ろの人に、あたしは目を見開いた

柏原さん……っ


柏原さんは特に驚く素振りも見せず、あたしの隣にたち、化粧をし始める






…教室戻ろう

そう思ったとき、ふいに柏原さんの左手に付けられた指輪が目に入った


あれって…戸城から……?






『この指輪は今の彼氏からよ』


柏原さんは、あたしを見て微笑んだ