『屋上…行ったよ』

あたしの言葉に、えっ…っと目を見開く戸城


『でも…会ってないよな?』


『だって…先輩がいたし……』

その後の言葉は声にできず、窓の外に視線を移した


けど、そんなあたしの様子で、戸城は気付いたらしい…


『もしかして…見たの?』

あたしは、小さく頷いた

『もう新しい彼女?早いね』


あたしの口からは、勝手に冷たい言葉が出る


すると戸城は

『先輩は彼女ぢゃないから!あれだって…無理矢理されたんだし』

と言って、口をおさえる戸城が少し可愛そうに思えたけど、あたしはホッとした


新しい彼女ぢゃないんだ…良かった…




そう思ったのに…

『俺とーぶん彼女なんかいらないし』

そう言うと、戸城はあたしの横を通り過ぎ、鞄を持って教室を出て行った





何で…そんなこと言うの……少しの希望が見えたのに…これから頑張ろうと思ったのに…




どれくらい待てば、あたしはこの気持ちを言えるのかな…?


戸城は近くにいるのに、心は全然近づかない…





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