少し開けたドアの隙間から、戸城の姿を探す

少し角度を変えると、フェンスに寄りかかっている戸城と、その前に女子の姿があった

上靴の色から、多分3年生だ


『棗彼女と別れたんでしょ?じゃあまたあたしと付き合おうよ』


――――ドクンッ

あたしの心臓に、何かが突き刺さる


またってことは…前に付き合ってたってこと…?



そーいえば前に噂で、先輩や大学生に手を出してるって聞いたことあったな


そんなことを頭の隅に思い出した


戸城…何て答えるんだろう



聞きたいけど…聞きたくない…


そんな思いが通じたのか、戸城の口は開いたが、声は聞こえなかった

でも、次の瞬間あたしの目に映ったのは、戸城と先輩がキスをしているとこだった…





嘘…でしょ………


あたしの足は、勝手に1歩ずつ後ろに下がり、少しずつ戸城の姿も見えなくなった