けど、柏原さんは表情を変えずに


『あーぁ…バレちゃってつまんなーい。もう少しいじめてあげたかったのになぁ~』


そう言いながら笑い出す柏原さんに、あたしは一歩も動けなくなっていた


やっぱり…柏原さんがやってたの…


『どう…して……』


あたしの言葉に、柏原さんは笑うのをやめてこっちを睨んだ


『あんたさー夏休みに棗の家に行ったでしょ』


さっきとは全く違う低い声。もう優しい印象の柏原さんは消えていた…


何も答えないあたしに、柏原さんは話を続けた


『あたしは棗の彼女なの!だから棗に近付く女を排除しようとしただけ。でもあんまり効果なかったみたいね』


そう言うと柏原さんは、スカートからカッターを取り出した