泣きやんだ頃には、すっかり日も沈んでいた


『瞼がおもーい…』

『すず目腫れすぎ(笑)』

鏡見なくても、何となく分かるよ…

今そーとーヒドい顔してんだろーな…





げた箱に向かう廊下には、もう人影はなかった







けど、げた箱に近付くにつれて聞こえる音

なぜかあたしの鼓動は早くなる







今までどんなに早く登校しても、げた箱は荒らされていた…
ということは、放課後に荒らされてるんぢゃないかと思い始めていた


今まで確かに犯人を知りたいとは思った…でも…知るのは少し怖かった…






あたしは無意識に、ナッチの手を握った

その手を無言で、ナッチは握り返してくれた


げた箱は、もう目の前だ…