ーーガタンッ


戸城が席を立ち、柏原さんのところに行く

あたしは2人が一緒にいるところを見たくなくて、視線を前に向けた



『どーしたんだよ?』

『棗化学の教科書持ってる?』

『いゃ…俺教科書持ってこないし』

そう答えた戸城は、あっと何かを思いついた

『ちょっ待ってろ』

『棗?』






戸城がこっちに近付いてくる

もう話終わったのかなって思ったけど、まだドアの所には柏原さんが立っていた

『相沢化学の教科書持ってる?』


『あぁ…うん』

今日授業であるからね…

『玲奈に貸してやってくれね?』

『…いいよ』


あたしは化学の教科書を持って、柏原さんに近づいた