時計の針が12時に近づき、あたし達は洋食専門のレストランに入った


『このお店すっごい美味しいんだよ』

『川瀬と来たの?』

『うん』

少し照れたように笑うナッチ。久しぶりに会ったナッチは、可愛くなっていたように思った


『今日はあたしの話より、すずの話聞くからね!』


『えっ?』

『最近あたし朔菟とばっかいて、すずと全然遊んでなかったぢゃん』

俯き申し訳なさそうな顔をするナッチ

『んー…でもあたし話す話題ないし、ナッチの話聞かせてよ』

『何言ってんの!!戸城くんとの話があるぢゃ~ん』

興味津々に、目をキラキラさせるナッチ

『べっべつに話すことなんてないよ』

『えーお見舞い行ったとき何もなかったの!?キスされちゃったとかさ』


ぶっ

飲んでた水を、思わず吹き出した

『もしかしてしたのぉ!?』

『してないよっ!!』

おしぼりでテーブルを拭きながら、あたしの胸はかなりドキドキしていた



『ねぇ…すずって戸城くんのこと好きなんだよね?』

突然ナッチに初めて疑問系で聞かれ、あたしは素直に頷いた

『そっかそっかすず、あたし応援するからね!!』

『ぁりがと』



でもナッチは多分気づいていないんだと思う。戸城に…彼女がいることを……


でもきっとそのことを言ったら、ナッチは心配すると思ったから言わなかった



チャララ~ラ~ラ~


テーブルに置いていた携帯が鳴る。携帯を開き誰からか確認すると、戸城の文字が浮かんでいた