テーブルの上には、野菜がたくさん入った焼きそばの大皿と、
少し小さめの取り皿が2つ、
それと麦茶
以上。
「…夕食だ。早く食べよう」
オレは向かい側に座っている彼の反応を気にしながら言った。
一人暮らしなんだし、野菜も入っているから栄養あるし、短時間で作ったし、男の料理だし(?)……
やはり誰かにおもてなしできるメニューではない!!
オレは首が痛くなる程頭を垂らした。
「何か、すまない。言い訳かもしれないが、私は他人にご飯を作ったことがなく、また料理が上手いというわけでもなく、ありきたりなものしか「お父さん!」…」
びっくりして顔を上げた。
目の前にいる奴は整った顔をしながら静かに怒っているようで、
でもやはり子どものようにどこか愛嬌が感じられた。
「他人じゃない、いい加減に自分の息子だって認識しろ。
じゃ、いただきます!」
そう言って大皿の焼きそばに箸をつけて食べ始めた。
「父さんが料理できないんなら、次からは俺が作るよ」
「あ、ああ、そうか。私もその方が助かる…って、待て。お前が作るって?」
オレは動き出そうとしていた箸を止めて、相手の顔を見た。
「確認したいんだが、泊まるのは今晩だけだよな」