さっと戸を開けて、先ほどまでいた部屋をのぞくと、あれ、奴がいない…

どこ行ったんだ?あいつ。



「おい…」


一応呼びかけたが、すぐに口を閉じる。
部屋の戸の窓から、台所の方の照明がついているのが確認されたからだ。


おいおい
ここは自分の家か


「何やってるんだ」

また戸を開けて、勝手に人の冷蔵庫の中を覗いている彼を発見した。


オレは、彼がする行為を黙認する方が、精神的に楽だということがわかった。