「先輩のことも、名前で呼んでいいですか?」

キョウくんの目はキラキラと輝き、ワクワク、というのが伝わってくる。

「いいよ、キョウくん」

「ありがとうございます、ラン・・・ちゃんってつけた方がいいですか?」

「いや、いいよ?」

「・・・やっぱ慣れないんで、ラン先輩、でいいですか?」

「う、うん」

“ラン”なら女友達に呼ばれ慣れてるけど。
“ラン先輩”はキョウくんしかいないから、初めての経験でくすぐったい。

――嬉しい。

「あ、敬語やめていいよ?」

「あ、はい。じゃぁ、遠慮なく」