倒れた扉。
一気に気持ちの良い風が吹き込んだ。

「やっぱ、サボりは屋上でしょ!」

扉の上を歩く。
その間も私は上機嫌だ。
なんだか、すこぶる機嫌がいい。

そう思ったのは束の間。

フェンスに手をついたとき、声が聞こえた。

「お、女!?」

誰だよ。
声の方を向いたら、5、6人の男たち。
私をみて、指を指し驚いている。
初対面の人に指向けんなよな!って内心キレる。

「誰?」

「いやいや、君こそ誰?」

オレンジ色の髪で短髪の男はそう言う。

「私?」

「見ねぇ顔じゃねーか」

後ろであぐらをかいて座っていた男が立ち上がり、私の前で止まる。
金髪に少し長い髪の毛。大胆にあいたシャツ。ごつごつとしたアクセサリー。

さすが不良校ってとこ?

「だって、転校してきたもん。てか、あんたらこそ誰よ」

私がそう言えば、驚きを見せた。

「知らねぇのか?」

初対面で知ってるのがおかしいと思うけど。
まだ後ろで座っている3人も、私の方を向いた。

「初対面で知るわけないじゃん」

その言葉に、いきなり5人は笑いだす。
そして笑いながら、オレンジが自己紹介を始める。