智ちゃんが出ていくと、教室は更に騒がしくなる。
・・・、うるさい。

「ねー!凜ちゃん!」

そう言って話しかけてきたのは、よくわからん女。
髪の毛は金色で痛みまくり。
香水も臭い。

「なに?」

「わたし、優花。よろしく!」

よろしくする気はないけど、一応。

「よろしくね!優花。あ、ねぇ?私の周りの空席は?」

「あー!知ってる?関東No.2の暴走族《紅龍》って。」

あー、紅龍ね。
知ってるわ。

「そこの、総長と幹部の二人の席だよ?」

・・・、は?
嘘。まぢかよ。
面倒臭いなーー。
なんで、このクラスにしたの!?
しかも、わざわざ席も変なとこに。
絶対に仕組んだだろ。あの二人。

「そーなんだ。ありがと」

「ううん、いーよ!なんでも聞いてね♪」

どーするかな。
紅龍の幹部なら、気付くかも知れないな。
でも、今は来てないから大丈夫だけど。
はぁ。サボるか。
そう思い、次の授業はサボり。
サボりといえば、屋上でしょ?


「あー、やっぱり、空いてないかー。」

屋上へ来たのはいいけど。
鍵がかかっていて、開かない。

「仕方ない!」

屋上の扉に蹴りを打ち込む。
すると、ガァーン!という大きな音と共に、扉が倒れた。

「よっと!」