「先生っ…!」



そう呼ぶと、和ちゃんは驚いた顔をした。



「菅田さん…。」



会えた。
会えた。

会えたんだ…。



「引っ越しは?」

「これから。」



言うんだ。
言うんだ。



「あのね、先生。」

「ん?」



この声が、好きだった。



「ずっとね、好き、だったんだ。」



和ちゃんに何が言われるのが怖くて、私は畳み掛けるようにそのまま言葉を続けた。



「気付いてたでしょ?」

「あー…まあ、薄々は。」



嘘つき。

散々他の先生にからかわらて。
散々私に冷たくしておいて。



「伝えたかった、だけだから。」



返事いらない。聞きたくもない。
振られるなんて、目に見えてる。



「そっか。」