「なんなら高里先生の席に座って待ってるー?」



とニヤニヤする。

…バレてる。
って、いいの? 先生なのに…。


私の想いはバレバレだったらしい。



それから雑談をしながら待つも一向に先生は来ず。

約束の2時半になってしまった。


母から送られてくる催促のメール。

『もうちょっと!』というメールを何度送っただろう。



「手紙でも書いたら?」



という荒川先生の提案で、私は手紙を書くことにした。


でも、和ちゃんにだけって、あからさますぎない?

そう思った私はお世話になった先生全員に宛てて手紙を書いた。


内容はひたすらに感謝の言葉。



和ちゃんへの手紙も、当たり障りなく。

“好き”という言葉は、さすがにそうした形では残せなかった。




3時になり、さすがに限界だった。

荒川先生に別れを告げ塾を出ると、道路を挟んだ向かいにある駐輪場に向かう和ちゃんを見つけた。


来た…!



私は無我夢中で、急いで駐輪場まで行った。