親友の山本 真菜に誘われて来た、塾の体験授業。

何もかもが初めてで、新鮮で、ドキドキしてた。


唯一の救いは、大好きな親友の真菜がいたこと。


2月、外では雪がちらついていた。

学年末テストの対策授業。
初の授業の科目は、理科だった。




「授業始めるよー。」




席に着いた私たちの元に、先生がやって来た。


それが、あなたでした。
高里 和樹(タカサト カズキ)先生。

後に、私の人生の一部となる人。




「えっと、体験がー…2人ね。」




かったるそうな口調。
少し高めの声。
低めの身長。

着崩すことなく着られたYシャツに、茶色のカーディガン、青のネクタイにスーツのズボン。


見た目は20代。
中身は高校生みたい。


最初の印象なんてもう、覚えてないけど…

『結構できるじゃん。』


そう、褒められたような気がする。