「そう言えば、私あれのお礼してないね。」

「じゃあお土産買って来て。」

「え?」

「夏期講習、おいでよ。」



それは、夏休み中に遊びに来い、ってこと…?



「…うん、来れたらね。」



期待、しちゃうよ。



「明日だっけ。」

「うん。」

「頑張れ。」



その言葉が胸に染みて、頑張ろうなんて思う単純な私。


ねぇ、和ちゃん。
私、あなたのことが好きだよ。

言ってしまいたい。


けど、それだけの勇気が出なくて。



「じゃあ、行くね。」

「うん。」



私が歩きだしたのを確認すると、煙草に火をつける和ちゃん。


私に気を使って…さっき、消してくれたのかな。

期待しちゃうじゃん。
優しさが痛いよ。