それから程なくして卒業、卒塾を終えた。


私と和ちゃんの接点は、なくなってしまった。

元々偶然遭遇なんてこともなかったから、本当に和ちゃんに会えなくて。



卒塾以来、16日ぶりに塾に足を運んだ。



「引っ越しいつ?」

「明日。」



なんて塾長と話していると、授業を終えた和ちゃんが「ニコチン不足。」と言って外に出て行ってしまった。

最後、なのに。


先生たちに別れを告げて塾を出ると、煙草を吹かす和ちゃんがいた。



「帰んの?」

「うん。」



塾を見やって、もうここに来ることはないかもしれないと思った。

それから和ちゃんを見ると、いつの間にか煙草を消していた。


吸い終わったのかな。



「あ、CD、ありがとう。」

「あぁ…西野カナだっけ。」

「うん。」



覚えててくれたんだ。
そりゃそうだよね、私しつこかったし。