私が和ちゃんを好きでいることは、結局、真菜にも舞佳にも言わなかった。

自分の中に封じ込めておけば、それはいずれなくなるんじゃないかと期待して。


だって、別れの時間は刻一刻と迫っていたから。



気付けば3月。
3月下旬には引っ越しだ。

遠距離なんて、無理。


例えそれが片想いでも、会えないなんて耐えられない。


だから風化されることを願っていた。



でも、それは無理な話で。


私は前よりも和ちゃんに勉強を教えてもらうようになっていた。

いつかの復活。



持田と私が別れたことはすぐに周知となり。

和ちゃんは悟っていただろう、私の気持ちを。


だって、彼は大人だったんだから。



先生たちに聞き回って集めた情報を元に、和ちゃんは22歳だろうと予想していた。

何より、私は「学生」と書かれた先生の持ち物を発見してしまったんだから。


22歳、大学4年生?


もしもこの予想が合っていれば、私と和ちゃんの年の差は8つ。

思っていたよりも年の差はなかった。