だけど、冗談でも結婚するかもと聞かされた彼女がいる人にそこまで執着するほど私は強くない。



持田と付き合うようになって、私は幸せだった。


友達関係、勉強、すべて良好。
彼氏までいて、幸せそのものだった。

愛されていると感じられる。
それは予想以上に私を満たした。


先生とじゃできない学校の下校だってできた。

先生とじゃできないたくさんが、持田とならできる。


そう自分を納得させていたのかもしれない。



持田と私が付き合っていることはすぐに周知のこととなり、塾でも散々からかわれた。


和ちゃんも心なしか優しくなった。
ううん、普通になったんだ。

いつの間にか、先生に勉強を教わることもなくなっていた。


下心が、8割だったのかもしれない。

和ちゃんといる時間が欲しくて、優しさを向けられたくて、勉強を教えてもらっていたのかもしれない。



持田という彼氏ができた時、それは必要なくなってしまったんだろう。


潮時だったんだと自分に言い聞かせた。
和ちゃんを諦めようと。



だって、私は持田の、彼女だから。