確か、その彼女さんとは長かったはず。

勝手な計算だと、本当結構な年数だったような。



彼女がいると知ったのは、先生を好きになるより前だった。


だから好きと気付いても、私は傍観者に徹するつもりだった。

先生が幸せならそれでいいと。
好きな人の幸せを見守ろうと。


図々しいのもいいところだと呆れるほどだけれど、成す術もない幼かった私にできる、最大限のことだった。



先生の視界にすら入っていないのは明白だった。

だって、私は生徒。
先生は一切公私混同しない。


だから、望みはないんだって、よく知っていた。



でも…彼女がいなくて、フリーなら。

頑張ってみたい気もする。


どうせ、恋愛対象外。
ならば、それなりに足掻いてみよう。




そう、思った。

だけどその数週間後、私は知ることになる。




「ヨリ戻った。」



衝撃で、だけどどこかで諦めていた私は特に驚くこともなく。

ただ、望みのなさを痛感させられた。