一人暮らしをすると駄々をこねても。
どれだけ嫌だと泣いても。

幼い私はただの子供なんだと痛感させられただけだった。



「え!?」

「引っ越し…?」



1番に報告したかった2人。真菜と、舞佳。
2人は予想以上に驚いていた。

前にも1度こんな話が出たことがあったけれど、その時は見送りになった。


…けど、今回は違う、そうじゃない。そう分かっていた。

その時は1つの案みたいな感じだったけど、今回は確定事項。



「嘘…。」



なんてショックを受ける2人。
不謹慎にもそれが嬉しかったり。


だけど、同時に私は1つの自信があった。

2人とは、大丈夫。遠く離れたって、私たちは何も変わらない。


逆に、1つ気がかりだったのは…先生。

ただの勝手な片想いだし、3月になれば卒塾してしまうけれど。それでも、伊丹に行けば会えると…そう思えたら、頑張れる気がしたのに。


それさえ、ままならなくなるなんて。



父の実家は東北の方。
こんな首都圏ど真ん中からじゃその距離は計り知れない。

ましてや、私は自分でお金を稼ぐことすらままならないのに。



それから塾、学校でもその話をすると、皆同じように驚いていた。