「CD~!」



そして今日も私は言う。



「あ~、忘れたー。」

「えぇ~。」



このやりとり、もう何度目だろう。

他の先生たちにもまたか、という目を向けられてしまう。


でも、そんなの気にならない。その視線は冷たいものではないし、何より…高里先生と話していたくて。



「先生っ、紙とペン貸して!」

「紙は貸さなーい。」

「じゃあ頂戴!」



先生から適当な紙とペンを受け取ると、私はその紙に大きく書いた。



『高里先生へ
 西野カナの「to Love」を持ってくる!
 菅田さんより』



先生に、初めての手紙。



「先生!」

「ん~?」

「これ、あげる!」



先生は紙を受け取ると、それをそのまま机の上に置いた。



「財布にでも挟んどいてよ~!」

「だって捨てちゃうもん。」