「あ~…。」



私はついこの間、先生が西野カナのアルバム「to Love」を持っていることを知った。

私が求め続けていたもの。



『貸して!』

『んぁ~、覚えてたらね。』



という会話をした。



もちろん期待なんてしてなかった。

どうせうやむやにされるんだろうことくらいは予想できていたから。


だけど、しつこいのが私。
何より相手が先生なんだから。

唯一の繋がり。



「何? 忘れたの!?」

「ってか帰ってない。」

「え?」



驚いたと同時に私は呆れた。

先生は「家が嫌い」とか言って友達の家を渡り歩く傾向があるらしい。


実家暮らしなんだから、お母さんが心配すると思うけど。


なんて幼い私は思ってみたりした。



「ちゃんと帰ってよ~!」

「気が向いたらねー。」

「CDーっ。」