程なくして7月になった。



その頃の私は高里先生が気になってしかたがなくて…。

彼女がいると知りながらも、高里先生を気にかける日々が続いていた。



人のモノには興味がない。
そう言い聞かせ、

高里先生は塾の先生。
そう言い聞かせ、


気持ちを封印しようとしていた。



そんな折、私は再びパンクした。

何が悪かったって、それも今となってはあやふやだけど。


今度は学校ではなく、塾で。


塾長に話を聞いてもらいながら涙ながらに溢した。
後ろには掃除をする高里先生。



「そっか、たいへんだったねー。」



そう優しく聞いてくれた塾長。



「俺が胸貸してあげれればいいんだけどねー、山本さんとかにまたセクハラって言われちゃうからなぁ。」



といつもの調子でケラケラと笑った。

山本さん…真菜。



「あ、なんなら高里先生でもいいよ?」



と後ろで掃除する高里先生を見やった。

突然話を振られた高里先生は驚きで固まりながら苦笑した。