あれから一週間が経ち、奈緒美は苛立っていた。

奈緒美『あ〜あ〜もう誰でも良くない?』


堀江『ん〜。』


奈緒美『色々調べたんでけど、七楽園って結構その世界では有名なのよ。』


堀江『有名?』


奈緒美
「単に身寄りのない子だけじゃなくて、犯罪を犯した子、それで他の施設をたらい回しにされた子も大勢いるのよ、最悪なのは職員。
暴力沙汰でつまはじきされた人や勝手に子供の引き渡しなんかしてる人ばかりよ。
特に酷い奴なんか子供に届いた荷物まで没収してるって噂だし。
これじゃどっちが子供なんだか・・・』

堀江『そんなに・・・。』


奈緒美『養護施設を支配してるのは恐怖と暴力。テル君の言ってた事なんか全然少しよ。』


堀江『いやになったか?』


奈緒美『まさか!俄然やる気になったわよ!もう止められないわよ!』


堀江『それを聞いた安心した。紹介したい人がいるんだよ。』


奈緒美『何?』


堀江『もうそろそろ来る頃だよ。』


アイム『失礼しまーす!』


堀江『ちょうど来たな。紹介するよ。アイムのお父さん。』


奈緒美『??』


明智『どうもアイムの父です。』


奈緒美『あ〜!アイムを捨てた人ね!』


アイム『捨てたって・・・そうだけど。』


堀江『この人を園長にどうかなと思って?』


奈緒美『ねぇ!私の話聞いてた?』


堀江『もちろんわかってるさ。でも明智さんたっての希望なんだよ』


明智『いきなり来てぶしつけな事を言ってるのは十分承知です!ただ私は皆さんの、いや、この子の力になりたいんです!お願いします!』

奈緒美『あなた、自分の息子も投げ出したじゃない!200人以上の子供を預かるのよ!』


明智『自分でもわかってます!でも、もう誰からも自分からも逃げたくないんです!』

明智『この通りです!お願いします!死ぬ気で何でもやります!』


奈緒美『・・・考えとくわ。』


堀江『ほら明智さんも頭を上げて!』


明智『はい・・・すいません。』


アイム『奈緒美さん!俺からもお願いするよ!』


奈緒美『・・・わかったわよ。とにかく考えとくから!』


明智『よろしくお願いします!』